さて、ドイツ3日目はミュンスターから列車で行くことのできるケルンの町に出かける計画をしておりました。
私は前日、妹の家でダウンしてしまったので、ゲストハウスから、母と長女がやってくるのを待たせてもらいました。妹の家にやってきた母が
「今日は教会の鐘は鳴らなかったよ。ちょっと楽しみにしてたんだけど。」
と言いました。あの爆音の鐘は毎朝、鳴るわけではないようです。地域の教会で持ち回りで鳴らすとか、そういうことなのかな?というわけで、爆音の日にゲストハウスに泊まれたのはある意味ラッキーだったかもしれません。
ミュンスターからケルンへの列車のチケットはあらかじめ取っておき、プリントアウトしてありました。この日、初めて、ドイツで列車に乗ることとなりました。チケットは基本的に社内で確認するスタイルのようで、とりあえず、ホームから予定の列車に乗り込み、指定の席に座っておけば良いとのことでした。電車で行けるのですが、乗車時間は2時間弱ということで、結構かかりますよね。日帰りしようと思うとまあまあ、大変そう。
列車に乗りますと、ドイツ人の習慣が少し垣間見れたりしました。お隣りに乗車しておられたおそらく、おばあちゃまとお孫さんの女の子がおられたのですが、途中で、おばあちゃまがリンゴを丸ごと紙袋から出して、丸かじりしはじめました。日本のリンゴより少し小ぶりなので、丸かじりしやすいのかもしれませんが、なんか、スマートでかっこいい! 日本人はあまりしませんよね。そういえば、京都で長女と歩いていた時、欧米の方に道を聞かれたので、お答えしたのですが、(結構遠くまで歩いていこうとしていたので、教えたものの、何度も「遠いよ! 遠いよ!」と伝えたのですが、「大丈夫!」と行ってしまいました。本当に大丈夫だったのかな…。)その時の方もなぜかブドウを手に持っていて、食べながら歩いてまして、長女に「食べるかい?」みたいな感じで、何粒かくれたのを覚えています。ちなみに、そのおばあちゃまのお孫さんが、うちの姉妹におかしをくれました。長女もお返しに、前日ミュンスターで購入していたカエルのグミをあげていました。ドイツってグミが有名なんですよね。
なんだかんだと、長いと思っていた列車の旅でしたが、意外とあっという間につきました。ケルンの駅に降り立つと早速、長女の興味を引く光景が。地面に絵を描いている絵描きさんがいたのです。
ケルンでは、ケルン大聖堂、チョコレート博物館、ローマ・ゲルマン博物館という3つを見学の候補に挙げておりまして、帰りの電車に間に合う範囲で行けるところに行こうと決めておりました。そこで、まずは、駅から一番遠い、チョコレート博物館に、ここは、子供達が一番楽しみにしていましたので、外せません。日本にも何店舗かあるLindtがやっている博物館です。京都にも四条通にありまして、娘と何度か行ったことがあります。毎年、バレンタインにはあちこちに配りまくる長女ですが、そのホワイトデーのお返しにもらったこともあったな。
実は、細かいことは覚えていないのですが、川沿いの道を歩いてチョコレート博物館に着いたころ、確か、次女が寝てしまったように記憶してます。そこで、先に、博物館併設のレストランに寄って、ランチにクレープのような料理とチョコレートドリンクをいただきました。今から考えるとこの料理の写真を撮れば良かったのですが、長女も撮っておりませんでした。レストランからの眺めはこんな感じです。博物館はライン川沿いにあるので、眺めが良かったですよ。
チョコレート博物館では、チョコレートの機会が動いていて、どんどん成形されていく様子が見られます。また、チョコレートの歴史や、温室があって、カカオの木もみることができました。
四角いチョコレートが成形される様子が見られる機械ではボタンを押すとできたばかりのチョコレートが出てきます。
子供、大喜び。
型を使った立体チョコレートには、結構興味を持って、ユニコーンを買わされました。
これ、中身は空洞なんです。実は、日本に帰ってスーツケースを空けてみたら、ちょっと割れちゃってましたけどね。
いわゆるリンツのチョコレートというと丸いキャンディー形ですよね。これも成形されるところを見られました。
それから、次女がこのウサギさんと写真撮ると言って座ったら、謎のおじさんが隣に…。意外と次女もすんなり受け入れて、肩組んだりして、一緒に撮影。
ドイツって面白いところで、とにかく、小さい子に優しいのです。みんな、子供が大好きって感じで、子供に人が寄ってくるんです。子供がいて大変だったけど、子供がいて助かった場面もたくさんありました。子供に対しては、日本よりずっと寛容な感じで、多少うるさくても、子供だもんね!!って感じで受け流してくれる雰囲気で、すごい、やりやすかった。
チョコレート博物館を、結構、たっぷり楽しんで、さて、駅まで帰りましょうかとなりました。歩いて帰れるのですが、お土産も買ったし、結構、しんどいね、なんて言っていると、長女が、「見て見てー、自転車タクシーやで、写真撮りたい!」と、つかつか歩き出しました、また、勝手に歩き回って!!と、追いかけまして、無断で写真を撮るのは失礼だと思い、運転手さんに「写真撮って良いですか?」と聞いて承諾いただきました。そして撮ったのがこの写真。
ところが、ここで、母が思わぬことに「これに乗せてもらって駅まで行こうか!」と言い出しまして、実は、上記写真の自転車タクシーに4人で乗車して駅まで送ってもらいました。結構、暴走系でしたけど、アトラクション気分で子供達も大喜びでした。
駅につきましたら、さっきの絵描きさんはおらず、絵も消えていました。はかないアートですね。
ケルン大聖堂は本当に大きくて、ミュンスターの教会も素晴らしかったのですが、規模が段違いという感じ、とにかくその大きさに圧倒されました。
中も天井が高く、ステンドグラスも大きな作品がズラズラズラーっと並んでいて、息を飲むようです。
大聖堂では、私は、どちらかというと次女と行動していました。次女はうっとりとしてステンドグラスを眺め、イエス・キリストの物語が描かれる場面などでは、「あれは誰?」なんて、質問をしてきます。そんな次女がかわいくて、とってもほっこりしました。どうも、次女は教会やステンドグラスが好きなようです。次女とゆっくり堪能しておりましたら、母と長女の組み合わせはとっくに教会を出ていたようで、「遅い!」と怒られてしまいました…。
まだ、電車まで2時間近くありましたので、予定通り、ローマ・ゲルマン博物館にも寄ることができました。こちらの博物館はケルンの駅前、大聖堂のすぐ下にあります。
私が、博物館に関係するような仕事をしていた影響かもしれないのですが、特に長女は博物館慣れをしているというか、結構、好きなんですよね。しかも、日本と違って、展示作品は写真撮り放題で、私も、何枚かとらせていただいたのですが、長女は、写真の撮れる博物館が初めてだったからか、自分のカメラで撮りまくっていました。しかし、後で、見て見ますと、いまいちピントが合っていない写真が多いこと…。
展示内容は、ケルンが古代ローマの植民地であったころの遺跡が中心で、当時のガラス製品やアクセサリーも見事でした。とにかく、展示作品が多くて、2時間で、ゆっくり全部見るというのは、ちょっと難しかったです。解説も基本的にドイツ語で、時代と何なのかくらいしか認識できず、本来なら、ちゃんと読みたかったなと思う所、情けない…。電車の時間に遅れないように時間を見ながら駆け足で見学いたしました。ケルンという町は古代ローマの植民地として出発した町で、ケルンという町の名前もラテン語で植民地を意味する「コロニア」に由来するのだそう。1700年以上前のモザイク画の展示もあり、かなり、素晴らしかったです。展示されているモザイク画の一つにフロアーに地続きになっている作品がありました。長女が見入ってしまって、ついつい危うく作品の上に乗りかけて、注意されるというハプニングがありましたが、意外と、子供達も楽しんでいて、こういう展示を楽しめるというのは、中々、大したものだと関心いたしました。
電車の時間が迫ってまいりましたので、駅に戻りました。子供たちは早速、チョコレート博物館で購入したチョコレートを食べていましたが、ドイツのチョコって、すごく溶けやすいんです。もう、口の周りがドロドロになりまして、非常に困りました。
その日は、確か、ミュンスターに帰って、ミュンスターの駅にあります、中華?っぽいお店で夕食を食べました。ドイツの方は皆背が高いので、椅子なんかも高めに設定してあります。次女が一生懸命高い椅子に座ろうとしていますと、お店の人が何やら親し気に話しかけてくれました。とにかく、子供が好きなドイツ人は、子供を見ると何かしらコメントせずにはいられない様子。その方はアジア人のようでしたが、ドイツ語しかお話しになりませんでしたので、ドイツ育ちなのだろうなと思いました。 夜は私と長女がゲストハウス、次女と母が妹の家に泊まったように覚えています。
子供とドイツ珍道中物語④へ続く
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